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秋葉原無差別殺傷事件

全くまとまっていないのだがとりあえず公開。

 学歴のみで飯が食える訳もないが、学歴は出世や高収入のために必要なものであることも確かである。少しの違いしかなければ、地方の名もない大学出身者と東大卒を比較して、どっちを先に昇格させるかといえば、いわずもがなである。その中に、勉強ができても、生きるための知識を持ち合わせていない輩がいることは、まちがいないのだが。

さて、テレビは「秋葉原無差別殺傷事件」一色である。

 犯人(以下、彼という)の出身地は、皮肉なことに、かの文豪、太宰治を輩出した青森県である。時代が違うとはいえ、なんらかの土地柄、因縁があるように思えてならない。

 先日の茨城の事件も同様だが、明るく挨拶もするし、いい子だったのになぜ?というコメントが必ず出る。これは本人がよい子を演技して周りの人間をだましているのだから当然である。「そうは見えませんでした。見事に彼にだまされていたようです」というコメントはまだみたことがない。

 卒業した高校の教師がテレビに出ていた。「昔はもっと目がきらきらしていた」とコメントしている。残念だが、先生。あなたの目は節穴(フシアナ)である。まあ、世間とか大人の付き合いを知らない教職員である。演技していた彼が一枚上手だったというわけだ。だいたい青少年の見本となるべき教育者たるもの、そんな間抜けなコメントをするためにテレビに出ないでほしいものだ。

高校までの彼の行動は、すべて以下に基づいて実行されていたと思われる。

 自分は、みんなから好かれなければならない。
 自分は、成績優秀でなくてはならない。
 自分は、スポーツ万能でなければならない。
 自分は、人と上手につきあっていかねばならない。

 彼は、よい子でなければ愛されない、成績さえ良ければ受け入れてもらえるという条件付きの愛情で育てられている。これでは愛する息子ではなく、親が自分のいいようにコントロールできる100点取得マシンでしかない。しつけと称する身体的虐待もあったときく。なによりも親のコンプレックスか欲求不満を満たすための道具だったのである。

 彼は自分がやりたかったことを徹底的に押し殺し「意に染まない行動は恫喝と否定で排除する、子供の人格を無視する偏った感覚の持ち主である親」の顔色をうかがいながら生きていたはずである。よって、彼の自尊心は徹底的に排除されている。自尊心とは、たとえば自分が失敗しても「しょうがないなあ、次はうまくやれよ」と自分を許してやる気持ちである。自尊心がないと、自身や他人の失敗を許すことが出来ない(完全主義)。実行する前から失敗を悲観し、あきらめてしまう。失敗を目前に感じると、そこから逃げ出す。この世の終わりがくるくらいの勢いで、自分を否定されることを異常なくらい恐れる。断られて傷つくのがいやで告白できないとか、振られそうになったら傷つくのがいやでこちらから振ったりするのがこれにあたる。これらの行動は自分が傷つきたくないということに端を発する。自尊心とは、自分が傷つくのを防げる盾の役目もある。だから、自身を否定されると、心に傷が付く恐怖からパニックになり、追い詰められて「突然キレる」のである。

 また彼は、幼少の頃から親に徹底的に管理・監視され、自己を否定されているので、過去を思い出したくないか、思い出せない。ちなみに、母親により父親に対する排除感と不潔感を、愚痴を聞かせる方法によって徹底的にすり込まれると、警察官の父親を斧でたたき殺す娘ができる。これは母親の代わりに娘が実行した殺人である。正しくは、母親が娘を使って父親の抹消を行ってしまった殺人だろう。本筋とは違うので、この考察はまたいずれ。

 彼には、自分自身を抹消したいという感覚もある。人によっては自傷行為や自殺未遂という形で現れる。すべて自分が悪いのだと自分を責める。否定され続けて育ち、自尊心という盾がないのだから、この感覚は当然である。うまくいかなければ自分が悪い。人とトラブルになると自分が悪い。あげくのはてに、天気が悪いのも自分が悪いと思うようになる。自らを責める自虐の念に容赦はない。

 しかしながら「すべてが俺の邪魔をする」とはよく言ったものだ。彼の場合、今までの親の仕打ち(彼の責任ではない)を自分自身の外にすべて転嫁しているのである。

 彼は、親のいいなりであれば愛されるがそうでなければ捨てられるという「よい子でなければ愛されない」感覚を徹底的にすり込まれている。条件付きの愛情というタイトロープを、人として生きるために必要な知識も教わらず、自尊心も育たないまま渡ってきたのである。その元凶である彼の親は、そんなことをみじんも感じたことがないはずだ。本人たちは、子供のためだと思っているので余計に始末が悪い。自分の言うとおりにしていれば幸せになれると思い込んでいるし、それを逃れようとする彼の徹底的なよい子の演技と現実逃避にすっかりだまされていたはずだ。何かおかしい、と感じた時には手遅れだったのである。

 高校になって成績が中の下となってしまったのは、彼が親に対してキレることが増えたからではないか。親も怖くなって注意できなくなり、彼は勉強に対するモチベーション(ほめられたい、愛されたい)が維持できず、全く勉強しなくなったことは容易に想像できる。また、自分自身の「愛されたい感」を満たすために、アニメやゲームの世界へ逃避したのではないか。ゲームキャラに人格はなく、彼を否定したりしないからだ。

 親が、彼を怪物にしてしまったのである。7人殺傷の彼の責任は少なくとも半分であり、あとの半分は彼の親が殺したようなものだ。彼の両親は、亡くなった7人の親族に手をついて謝らなければならない。※1

 彼が掲示板に書き込んだとされる言葉は、まったく同じではないが、太宰治の名著「人間失格」にある。「いい人を演じるのは簡単だ。みんな簡単にだまされる」

 主人公が自ら「人間の生活というものが見当つかないのです」と告白するように、彼は日常に関して愚鈍である。主人公が自ら「隣人の苦しみの性質、程度が、まるで見当つかないのです」と告白するように、彼は社会性に疎いのである。

 自暴自棄というコメントもよく見かける。この言葉の意味は正しいかもしれないが、彼にはあてはまらない。彼には冷静な計画性と明確な殺意がある。冷静に殺人を実行するためには、離人感(自分が自分でないような感覚)がなければならない。よくある離人感はその不快感により自殺や自傷行為(内向き)につながるが、彼の場合はすべて自分自身の外へ転嫁(外向き)しているため、目の前の人を殺傷するに至ったのではないか。おそらく自分とは別の自分が、肉体から離れた場所にいてトラックを運転したり、目の前に現れた人(障害物)にナイフを振り回す感覚ではなかったか。トラックで人をはねる、人をナイフで刺すという行動が、通常の人間であれば想像すらしたくない恐ろしく、実行できない行為であることは明白だ。離人感といえば、一連のバラバラ殺人も同様だと思われる。そうでなければ、想像するのもおぞましい行為を、ああも見事に完遂できるはずがない。

 捜査員に生い立ちについて涙を浮かべて話したりしているというが、その涙は、彼が起こした事件とはまったく関係がない。彼の中には「今まで自分がいかにひどい仕打ちを受けているか」という徹底的な自己中心感覚しかないからである。彼は犠牲者に対して申し訳なかったと思えないはずだ。自尊心があってこそ人の痛みがわかるのである。また彼は、反省した自分を演技するなどたやすいことであり、すばらしい演技力を持っていることを忘れてはならない。検察も裁判官も、決して見誤ってはならない。しかしながら、彼に殺人嗜好はないので司法判断が難しいのではないかと推察する。

 職場への嫌悪感が事件の背景にあったとみて調べているとのことだが、それが直接の動機につながるとは思えない。勤務態度がいいのは当たり前である。彼の根本(性根)はいたってまじめで実直である。また、仕事がうまくいかない(と思い込んでいる)のは、自身に課する目標が異常に高い、もしくは他人とのコミュニケーションに問題があったかのどちらかだ。会社からリストラ話が出た段階で、彼は「オレは用のない人間である」と自虐に走っているが、これは会社から否定されたショックである。このことがトリガになったのかもしれないが、もちろん会社や職場内部の責任は、みじんもない。

 また、ないとされた作業着も実はそこにあったはずである。更衣室での一件は、彼の単なる見落としだったのではないかと思う。彼は、何らかの原因(たとえば洗濯に出すため等)でいつもと違う場所においてしまったものは、そこへ置いたことすら記憶から削除され、見つけられない場合がある。

 彼は自分を含めたすべてに敵意と不満を持っているはずだ。しかし実のところ、彼の殺意には明確な理由がないのではないかと思う。仕事の不満は、尋問している警察官の誘導ではないのか?

 彼の行動は、自分が人とは違うということを誇示するためなのだろうか?恥ずかしながら、実はこの辺がよくわからない。先日ニュースで、記録破りの殺人のためというコメントがあった。なるほど、人とは違うことを実行することにより、「俺はこんなことができるんだ!」という押し込められた自分を解放したのかもしれない。正直な話、キレて暴力的になる事例に基づいた考察を有識者に聞いてみたい。

 驚いたのが、「キレる子供」でgoogleを検索すると「食育」というキーワードがくっついて出てくる。食べ物でキレないようになるという、ちょっと間違えると宗教やダイエット食品詐欺になりかねないような話だが、そんなもんでキレない子供が出来るならば、文部科学省の「学校給食衛生管理の基準」に載っていなければならない。まったく、お気楽、平和な方々であると思う反面、お金儲けは否定しないので、くれぐれも詐欺にならないよう、商売にいそしんでほしい。

  亡くなった7人の方々のご冥福をお祈りします。

※1 2008/06/11現在 10日に両親の謝罪があったようです。

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秋葉原の殺傷事件で、 「ナイフの所持の禁止を強化する。」とどこかが言っていましたが、 締め付けを厳しくすれば人間は反発したがります。 そんな単純な問題ではないと思います。 [続きを読む]

受信: 2008年6月11日 (水) 12時42分

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